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歩くことが好きでたまらない英国人たち  ここ10年、世界中で「歩く」ことが再注目されています。デジタル革命により、価値観や生活スタイルが大きく変化する中、時間と情報に追われ続ける人々が、このもっともプリミティブでアナログな行為に、ある意味救いを求めているように見受けられます。この新たなムーブメント、実は昔にも同じようなことが起こっています。18世紀後半、産業革命の時代です。そして、そこから200年以上の月日をかけて現在にいたるまで「歩く」ことに並ならぬ情熱を持ち、一大文化までに発展させた国があります。それが、今私が住んでいる英国です。私は、たまたま英国人男性と結婚して、英国の田舎に住んで15年になります。住み始めてある日、「いつでもどこでも散歩している人が多いな」と気づき、「これは、なんなんだろう?」と疑問を持つようになり、日々観察してきました。今回は、いち日本人主婦の私が、彼らにとっての日常生活上でのウォーキング、「散歩文化」について、お伝えしたいと思います。  ここにひとつ、興味深いデータがあります。日本観光庁の2019年訪日外国人消費動向調査で、一般客一人当たり旅行支出を費目別にみると、中国の方々の買物代、5万3千円が最も高いです。ただ、 宿泊費は、英国がもっとも高く10万3千364円。飲食費、娯楽等のサービス費も、英国人が一番消費しています。訪問者数は、中国などのアジアに比べると圧倒的に少ないにもかからず、日本にかなりお金を落としてくれていっている、ありがたい国であることがわかります。では、彼らは日本でお金を使って何をしているのか。Experience=体験です。何かモノを買って得るのではなく、日本という東方のミステリアスな島国に滞在して、見て、聞いて、触って、食して、日本文化とは何か、日本人がどんな生活をしているのか、自分の体を通して理解を深めていこうとする体験型の旅です。それには、どんなスタイルの旅を彼らは好むのか・・・。すばり歩く旅です。  そんな英国には、大きく分けて2つのウォーキング文化があることを、ご存知でしょうか?ひとつは、日本でも慣れ親しみのあるアルピニズム。登山をメインとした、スポーツ要素満載の歩き。登頂、成功、制覇、踏破、達成という言葉が聞こえてくる、大きな目標、目的がある歩きです。もうひとつは、目的がまったくない野山歩き、ただ軽くその辺りをウォーキングするスタイル。つまり散歩です。とにかく彼らは、しょっちゅう散歩をしています。Sport England Active Livesによると、2019年、イングランドでは、週に2回以上、散歩するひとが1千9百60万人。人口比率でいうと35パーセント。この数字は、日常生活での歩きのみで、旅行や登山などの歩きは、含まれていません。しかも、去年一年で50万人増えたそうです。スコットランドでは、Sports Scotlandが2018年に調べたところ、人口の68パーセントが30分以上のレクリエーション歩きをしていると答えています。今ちょっとした散歩ブームです。世界の散歩人口の比較データがあるのかわかりませんが、英国は多分世界で一番散歩する国だと思われます。  では、その彼らの散歩、どんなものかといいますと、ガンガン歩きまくる・・・といったアルピニズム的なものとはまったく違い、ぷらぷら、ぶらぶら、ふらふら家の近くや旅行先で歩きます。散歩や散策をしていると日本語では言えるのですが、ちょっとニュアンスが違うように、私は感じます。彼らは、歩いてどこかへ行こうとか、歩くことで何かを得ようとか、はっきりとした目的はなく、彼らは、ただただ、街中や、自然の中を歩いているんです。頑張って歩こうとは一切思っていない。散歩に飽きたら、家に帰るし、途中で疲れたら、パブに寄って飲んでしまう。物見遊山という言葉が一番彼らの散歩スタイルに近いかもしれません。彼らは、歩くプロセスそのものを大切にしているようです。 英国を代表するナショナル・トレイルの一つ、サウス・ウエスト・コースト・パス  そのためでしょうか、英語で歩くを意味を指す単語、みなさんに馴染みのあるWalking Hiking Trekking以外に、Strolling, Roaming, Wandering, Ambling, Rambling, Scrambling, Stamping, Hillwalking, Fellwalking, Bushwalking, Tramping, Puttering, Sauntering, Mooching, Meandering, Moseying などなど、たくさんあります。意味は、それぞれ微妙に違いますが、ざっくり言うと歩くという意味になります。それだけ、彼らが歩くという行為に関心を寄せている。日常的な行為であり、意識を高く持っていることが、単語の数ひとつとっても、言えるのではないでしょうか。  そんな英国の散歩は、具体的にどんな感じか。まず、私の体験をお話しします。私が15年前に主人と結婚して英国に住み始めた頃、犬を飼いました。ジャックラッセルテリアという、小さい体にターボエンジンを兼ね備えた、エネルギッシュな犬です。そのため、毎日しっかり散歩に連れて行かなくてはならない。そこで、主人と一緒に散歩に行くようになったわけですが、私も日本で犬を飼っていたので、犬の散歩には慣れていました。ただ、毎日毎日主人と歩きに行くごとに、なんだか、今まで私が体験してきた犬の散歩とは、違うのです。まず、近所の原っぱ、農地、森、丘や川の岸辺など、毎日違うエリアへ家から車で行く。そこに到着するなり、日本で馴染みのかっこいいウォーキングブーツではなく、深緑のゴム製の長靴に履きかえる。そして犬をリードから放ち、犬も人間も歩きたい方向に勝手に歩いて行くのです。例えば、日本人の私は躊躇してしまう、膝ぐらいまで伸びた麦畑のど真ん中を、突っ切っていったり、放牧されている羊がいる中を平気で歩いたり。時には、人様の庭に入って行ったりするのです。これには、驚きました。しかも、長靴は、夏には、蒸れるし、冬になるとは、泥だらけになるし、歩きにくい。さらに、仕事がどんなに忙しくても、一回に最低45分、長い時は2時間ぐらい犬の散歩に、毎日行きます。天気もまったく気にしない。「今日は、寒いし雨も強そうだよ」と長い散歩やめようと提案する私に、「へっ、それがどうしたの?」とかまわず、主人はどんどん歩いていってしまう。「このダサくて、チープな散歩は、なんなんだ?」と。ヨーロッパでは、もっとオシャレに犬と歩くイメージがあった私ですから、戸惑いました。「へんなひとと、結婚したんだ」と思っていたら、彼の家族も全く同じことをしている。「今日はどこかへ飛ばされるぐらい、すごい風ねぇ」とか、「暑くて、汗だくになりそう」といいながら、義理の両親も、毎日ぶらぶら歩きに出かける。そんなこと言うなら、行かなきゃないいのにと、鬼嫁の私は思うのですが・・・。「変わった家族なんだな」と納得しようとしていたとき、ふっと気づいたら、そうゆう変人たちが、大勢外を歩いていたんです。これは、ただごとではないぞと思いました。そこから、英国のウォーキング文化に興味を持ち始めたのです。 歩く行為が文化へと発展する  この文化がどこからきたのか、多くの研究者が語っていますが、私は、やはり彼らが狩猟民族であることが、大きいのではないかと考えます。英国人は、中世からハンティング、シューティング、フィッシングといった野外で遊ぶことを楽しんできました。特に王族、貴族がこれらをレクリエーションとして、発展させてきた。散歩も昔は、お金と時間が有り余っている上流階級のすることでした。英国において、スポーツと言う言葉の概念は、この「遊び」からきている。日本では、わざわざアウトドアスポーツといいますが、彼らの感覚としては、スポーツのベースには、「野外でアクティビティをする。思いっきり遊ぶ。」楽しいイメージが根本にあるように思います。そして、18世紀末ごろに起こった産業革命により、その野外活動が一気に一般に広がり、労働者階級のひとたちも、過酷な仕事や生活環境からリフレッシュしたいと強い思いを持ち始め、自然のある場へと足を運び、それが一大ブームになっていきました。彼らにとって、歩くことが、ただの交通手段から、レクリエーションになったわけです。そしてスポーツの概念もコンペティション、フィットネスといった要素が加わったことで、歩く文化が、ひとつは、アルピニズムへと発展していった。その一方で、昔貴族がおこなっていた、ぶらぶら歩く散歩も、気軽に自然と触れ合えるということで、同時に独自の発展をしてきて、今にいたる。英国の面白いところは、両方を究極までに発展させたことです。これは、他のヨーロッパではない特徴です。  ただ、「歩るいてリフレッシュしたい」というマインドだけでは、散歩文化は発展しません。歩ける場所が必要となります。彼らは、行動に出ます。それが、今まで通勤、通学などで使用していた歩行者専用道路フットパスを、レクリエーション用途に使えるようシステムを変えようと努力します。そして、戦後まもなくPublic Right of Way通行権を法で保証し、全国で登録されているフットパスを守れるようにしたのです。現在、このフットパスが、英国全国津々浦々、毛細血管のようにあります。イングランドとウェールズにある全フットパスを合わせると、約22万キロ。 スコットランドは、約1万6600キロ。まだ登録が完了していない歩道もありますので、今後さらに伸びると思われます。合計すると、だいたい地球を、軽く6周できるぐらいの距離になります。  今日では、先人のおかげで、地元の人々が、それぞれのスタイルで、フットパスを利用しているわけです。そのフットパスを繋げて、長距離トレイル(彼らはレクリエーショントレイルと呼びます)を作り、内外から人々が歩きにきています。ただ、あくまでも、すべてフットパスがベースになっている。長距離トレイルをわざわざ作ってはいません。そして、そのフットパスを地元の人が歩くからこそ、フットパスが残り続ける。長距離トレイルは、それの延長線上に存在しているだけなのです。必要とあれば、地元の人々で道のメンテナンスをする。イギリスはチャリティー大国ですから、彼らの力も借りる。ただ、ベースにあるのは、人がコンスタントに歩かなければ、どんなにりっぱな道でも、消えていくということです。メンテだけでは、だめなようです。 家族全員で散歩する姿は、英国でよく見る光景  さらに、限定されてはいますが、道によっては、トレランを含めたランナー、サイクリスト、乗馬、車いす、ベビーカーなども通ることができます。みんなで、道をシェアし、アウトドアの楽しみを共有しあっているわけです。そのあたりは、みな平等にと考える、英国らしさがあります。例えば冬、馬が通過したあとの道は、凸凹になり、ぬかるみ、馬糞が落ちています。でも、誰も文句は言いません。犬のフンは、家畜や野生動物の健康への悪影響を考え、きちんと持ち帰るよう、厳しく取り締まっていますが、馬糞は害がないので、いいそうです。田舎では、車道にも落ちていますが、誰も気にしない。放牧地も同じです。牛や羊の糞がそこら中にありますが、みな平気で歩いている。靴に付けば、あとで洗い流せばいい、もしくは、その靴を外においておく。その点では、おおらかなんです。田舎のパブでも長靴姿は、普通です。ただし、長靴オッケーのパブも、泥はきちんと落としてから。その辺のエチケットはあるようです。  そんな彼らの歩く格好も、まちまち。アウトドアギアやハンティングブランドの服で、ビシッと決めた人もいれば、その辺のスーパーで買ってきた長靴とウェアで歩く人もいます。背負ってるリュックも何かの景品で当たったかのような、ヨレヨレなものだったりもします。私の住んでいるところは、ヒッピーも多いので、裸足で歩いているひとも見かけます。ハロウィンやクリスマス近くだと、仮装して歩いているひともいます。千差万別。なんでもあり。こだわりがない。そして、法律で定められた歩く上での最低限のルールさえ守っていれば、誰も何も言わないし、気にしない。むしろお互いを干渉し合わないよう、ある一定の距離を保っている。プライバシーを尊重するひとたちです。  また、英国人の犬好きは知られていると思いますが、犬も多種多様。世界中の犬種が集まっているのではないでしょうか。とにかく、彼らは昔からハンティングバディーとして、犬と共に生きてきましたら、犬の散歩で歩く人は多いです。人間も、犬ものびのび歩いていて、実に楽しそう。そして、そのままパブに犬も一緒に行ってしまうのです。私の家の近所に、丘の上にある眺めのよいパブがあります。夏の昼間は地元の人と観光客でいっぱいになります。大人たちに連れられた子供と犬たちでごった返しています。きっと散歩ついでに寄ったひと、これから歩く前にランチと思っているひとたちです。馬で来る人もいて、芝生で馬が休んでいる時もあります。日本人の私は、驚きと共に、すごく平和な時間がすぎていて、幸せな気持ちになります。特に、EU離脱問題で揺れている英国で、こうゆう光景を見ると、少し希望が見えてきます。 英国散歩を充実させるツール  このような自由な歩きを可能する重要なアイテムのひとつが、地図です。自由といっても、どこでも歩いていいわけではありません。先ほど述べたようにフットパスを歩くことが、原則です。そのフットパスがどこにあるのか一発でわかるのが、英国陸地測量部が出している地図、OS Mapです。一番メジャーなのがExploreシリーズの2万5千分の1地図で全国を網羅していて、全部で403冊あります。この地図に、緑の点線ですべてのフットパスが表示されているので、どこを歩いていいのか、すぐにわかります。最近はスマフォなどのデジタル版も充実していて、紙とスマフォを両方を使って出かける人が多いです。読図が得意でない私のような素人でも、簡単に道がわかります。この地図は、マストアイテムです。だからでしょうか、このOS Mapに馴れ親しんでいる彼らが、海外に歩きに行くと、ちゃんとした地図がないことをよく嘆いているのを聞きます。 犬は英国ウォーカーたちの良い仲間  それだけ歩くことにパッションを注ぐ国民性ですから、ウォーキングに関する情報も充実しています。ガイドブックやウォーキング専門雑誌はもちろん、一般紙の日曜版の中にあるトラベルセクションには、内外のウォーキング体験の記事や情報が、ほぼ毎週掲載されています。全国紙だけではなく、地方紙、または地方自治会や町内会で出版している〇〇お便り的な新聞まで、おすすめウォーキング情報とフットパスの整備状況が必ず載っています。そして、観光案内所に行けば、〇〇Walkという散歩レベルから本格的ハイキングコース案内がありますし、ガイドウォークも盛んです。宿泊するホテルやB&B(英国版民宿)には、宿泊施設ご利用案内のファイル内に、施設利用の際のルール等の記載とともに、必ず周辺のフットパス、お奨めウォーキング情報が入っています。そのため、地元民だけではなく、必ずそこを訪れた人々にも、歩いてもらえるのです。 森の地図と動植物の情報を読んでいる親子  はじめに英国人は、ぶらぶら歩いていると書きましたが、ただボーと歩いてるわけではありません。彼らは、地元に関することをよく知っていますし、大変興味を持っています。あの植物がどうしてそこに咲いているのか、なぜあの石が鎮座しているのか、この教会は誰が建てたのかなどなど・・・。お硬く言えば、 地学、自然科学・人文地理学、歴史学、文化人類学、生物学、エコロジー、園芸、芸術など、自分の住んでいる地域を熟知しています。特に、歩くことが好きな人々(きっとその方々が日本へ歩く旅に来られるターゲット)には、それが当たり前のようです。これは、子供の頃からの学校教育の影響もあると思います。そして、歩いている間にそういったものをよく観察する。つまり、ひとりひとりが、それぞれフィールドワークしている。そして、それらについて、家族、友人、近所の人々、時には初めて会ったひととよく話をしています。暮らし始めた頃、私は「つまんない話だな〜」と退屈していましたが、これがのちのち、どれほど英国人にとって重要なことなのか、私は理解していくのです。これを密かに「半径2キロ圏内トーク」と私は言っています。この彼らの大事な社交が道でも、バプでも、家でも、スーパーでも、年がら年中、行なわれているのです。そして、彼らが旅行先でも求めるものが、そのフィールドワークのような体験型歩きなのです。己を知っているから、他人を知ることができる。海外も含め、旅行先で、自分の住んでいる地元の「 半径2キロ圏内」と、今自分が立っている地の「 半径2キロ圏内」とどう違うのか、比較して楽しむ。いつも興味津々です。この記事を読んでいる人の中には、ガイドの方々もいらっしゃるかと思いますが、欧米人たちをガイドする場合、もちろん英語を話せればビジネスは広がっていきますが、さらに連れて行く先々の地形、地質、歴史、動植物、建築、風土、地場産業などの知識があると、彼らから絶大な信頼を寄せられること、間違いないです。彼らは、そのあたりを、ガイドに求めてくると思います。 日本のトレイル文化の可能性  英国には生活に根ざしたウォーキング文化、散歩が全国どこでも行われいる唯一の国といっても過言ではありません。同じ島国の日本とは、西と東とで大きな違いがありますが、コンパクト、歴史が長い、自然愛が強い、独自の文化が発展、大陸国に対するプライド、古いものを大切にする、国立公園のあり方など多くの共通点もあります。この生活に根ざしたウォーキングは、日本でも大いに参考になるのではないかと考え、今回この記事を書かせていただきました。  日本は、英国以上に、とても豊かな自然と文化があるユニークな国であり、トレイルにおいても、ポテンシャルはかなり高いです。最近日本では、散歩関連の書籍やテレビ番組が人気を博ていると聞きました。ただ、歩くブームも一時的なものではなく、日本独自のトレイル文化へと発展できるよう、みなで知恵を出し合う必要があると思います。それには、それそうの時間がかかることを覚悟しなくてはなりません。英国でも、200年はかかっています。そのため、代々継いでいく人たちを育てるのは、重要です。そして、国内外からのトレイル利用者から学び、ハイブリットな歩く文化作りが必要だと考えます。それには、まずトレイルを管理している人たち、地元の人たちが、それぞれのトレイルをよく知ること。サポートだけでなく、自分たちでトレイルを歩き続け、常に状況を把握し、そして何よりもトレイル愛を育てて欲しいです。そうすれば、自然とひとびとが歩きに来たくなるトレイルになると思います。  新型コロナウィルスで、今世界は混乱状況にあり、この原稿を書いている時点では、今年の東京オリンピックが開催できるのかは、まだわかりません。開催できたとしても、インバウンドの波は、予測していたものより、かなり穏やかなものになるかもしれません。ただ、日本のトレイルが消えるわけではありません。また、世界中の日本を歩きたいと思う気持ちは、変わることはありません。すこし予定より時間がかかるかもしれませんが、きっとみなさんが歩きに来るはずです。  そこかしこで自粛ムードが拡大し、閉塞感と先行き不透明感によるストレスで、せっかくの春を迎えるのに、悶々とした雰囲気が漂っています。こんな時こそ、お金をかけず、手軽にでき、ウィルス感染のリスクも低い「散歩」で、リフレッシュするのは、ひとつのアイデアかもしれません。まずは、自分たちの身近なところから、歩いてみませんか。歩くことが、トレイル作りの基本ですから・・・。 【この記事は、安藤百福記念 2019年度事業報告書に(35から42ページ目)『英国人の散歩に見る「歩く文化」〜いち日本人主婦が見た英国流ウォーキング〜』として掲載されました。】 掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。© rambleraruki.com 2021...

ロックダウン中、公共施設は、すべて閉鎖となった  2019年末からのコロナ禍。それに伴い英国では、2020年3月末からロックダウン状態になりました。  「ああ、どこかへ飛んで行きたい。」  ド田舎に住んでいる私には、さほど影響もなく生活しているのに、見えない緊張感と閉塞感で押し潰れそうになり、息苦しくなるのです。どこにも行けず、ただただ空を見上げ、籠の中から飛び立ち自由になる鳥の妄想をする日々が続きました。 ロックダウン後のフットパス  ロックダウン後、英国国内では車や飛行機の交通量が減り、大気汚染が改善され、ロンドンの二酸化窒素(NO2)量は、前年比で40%近くまで減り、全国の騒音が50%減った*1と報告がありました。私の家の周りも、鳥たちの鳴き声が響き渡り、遠くから羊の親子が呼び合う声がはっきりと聞こえてきます。星空はいつもより鮮明に見えるし、フクロウのホーホーと鳴く音が、妙に心を落ち着かせてくれます。そんな自然の癒しで少しでもリフレッシュしたいと、外を散歩したり、サイクリングしたりする人たちが通常の3倍ぐらいになり、フットパスはちょっとした混雑状態。今まで近所を散策したことがないであろう人たちの姿をたくさん見ました。ある友人は、「40年近く住んでいるこの土地で、今まで一度も歩いたことがなかったフットパスがあったけれど、今回初めて歩くことができたよ」と言っていました。 コロナ禍で、医療従事者に対する敬意と配慮が重視され始めた  YouGov pollによるとロックダウン中74%のひとが、何らかの運動したと答えており、そのうち女性は10人中6人、男性は半数がウォーキングを選択したとのデータ*2があります。自分の周りにある自然は、人間にとっての非常事態とは無関係に、何事もなく進んでいくことに安心すると共に、人間だけがあたふたして置いてけぼり状態で、思わず苦笑いしてしまいます。それでも、みなが近所を散歩する姿は、先行きが不透明な今、何かを変そうな予感がして、微かな希望の光ように映ります。今課題になっているソーシャルディスタンスが、ただ感染予防という点だけでなく、今後人と人とのの関わり方と距離間を変え、人々がもっと外へと出て行く機会が増えそうな予感がします。 心身の健康保持とソーシャルティスタンスのため、ウォーキング、サイクリングをするひとが、圧倒的に増えた 私たちを影で支えている人たちを想う ヘリコプターだけはロックダウン中も頻繁に飛行していた  そんな静かな空を見上げながら散歩していると、突然爆音が平穏を切り裂くかのように、ヘリコプターの姿が現れます。自宅近くには、ヘリ工場があり、基地もあるため、よく飛行していくのです。ロックダウン中でも、多い時には1日20機ぐらい飛んでいきました。飛び越していくヘリの姿を、私は無意識に毎回目で追いかけてしまいます。18歳の夏、山小屋で1ヶ月住込みでバイトをしたことがあり、ヘリが物資を運んだり、人命救助にあたる姿をよく見ていました。そのため、ヘリはライフラインであり、最前線で戦うものと私の脳みそに刷り込まれてしまっているのです。誰かの命を守るため、日夜私たちの健康と安全な生活を守るために、飛んで助けに行くヘリを眺めながら、感謝の気持ちと共に、私はこんな能天気にしていていいのだろうかと、複雑な気持ちになります。今回のパンデミック下では、財力、権力、テクノロジーがそれほど役に立たず、近年社会からぞんざいに扱われてきた、医療、福祉、食品小売業、物流、第一産業など生活の基本となるものが、一番大切なんだと思い知らされました。どれだけの人たちが影から支えてくれていて、私たちの当たり前を成立させているのか、改めて考える必要に迫られているように感じます。 医療従事者に感謝の印として、子供達が描いた虹の絵を窓に貼っているのが、そこら中で見受けられた 近所の子供達の虹アートに感化されて、私も前庭に色付けした柳と羊の毛で虹を作ってみた アウトドアスポーツは、危機管理能力を上げる  私がここで書いている「歩き」を含めたアウトドアスポーツも、高揚感、癒し、達成感を求め楽しむ遊びではありますが、一歩間違えれば、ケガや遭難事故で悪夢となりかねない、紙一重の細い線を綱渡りしているようなもの。そんな遊びを実現させてくれ、少しでも安全で楽しめるよう、見えなところで守り続けている人たちがいます。器具調達、ルート確保と整備、食事やトイレ、情報提供(地図・天気・ルートなど)、宿泊施設、万が一の時には救助など、実に多くの助けが必要となるわけですが、それらをサポートしてくださる方々の功績は表には出てきません。私のような凡人のぶらぶら歩きですら同じで、どれほどの支えがあって、無事に行えることができているのか、歩く旅ができない今だからこそ、振り返り思うのです。そして、そんな彼らに何か少しでも恩返しをしたいと思った時、自分に何ができるのか考えていくと、「危機管理」という言葉にあたりました。もちろん、ボランティア活動や寄付などで直接奉仕することも素晴らしいと思いますが、まずはその人たちの努力を無駄にしないように、ひとりひとりのアウトドアスポーツでの危機管理能力をもっと高め、行動することが、最低限必要だと考えます。なぜなら、場合によっては、自分の遊びによって、彼らに大きな負担をかけ、最悪命を奪うことにもなりなねない。リクスをすべて回避できずども、下げる努力は常に忘れてはいけないなと思います。  また、今回のパンデミックを含めた災害は、いつ起こるのか予測はできません。せめてできることは、災害などが起きた後に、周りにいる人間と協力して多くの人命を救助し、減災に努め、心身共々安定した生活へ戻せるかが重要であり、それしかコントロールできないのが、人間の限界だと思います。「想定外」のことが起こるのは、想定内なんじゃないかと。1995年に起きた阪神淡路大震災の時に「救出してくれた人は誰か」という調査で、自力が35%、家族に32%、友人・隣人28%、通行人2%、これらを自助、共助と呼び、合わせると97%となります。それに対し警察や自衛隊などの緊急時の救助を業務としている組織による助けは、公助と呼ばれ、それはわずか2%という結果*3がでています。災害が大きければ、公助には限界があり、政府や自治体に頼っていては命は救えず、自分たちで何とかしなくてはならない。今回のコロナ禍でも、改めて確信しました。それに、危機とは災害だけでなく、個人の日常生活上でも、いつ何時でも起こりえるものです。そのためにも、日頃から「危機管理」のトレーニングをしておく必要があるということだと思います。それができる場は、予測不可能な自然を相手にするアウトドアスポーツなのではと、素人の直感レベルですが、感じています。 自然災害大国日本が、世界にできること ピーク・ティストリクトでのトレラン大会にて、緊急時のために待機していたチャリティー団体、Mountain Rescue England and Walesのスタッフ。彼らのような人たちの助けを忘れずにいたい  そしてさらに図々しい主婦の私は、日本こそが危機管理能力向上トレーニングの最適な場となり、世界をリードしていける可能性があるのではと、勝手に大きな絵を想像しています。なぜなら、日本は世界有数の自然災害大国だからです。それを自慢することではありませんが、日本の自然、社会、そして文化は、この自然災害に良くも悪くも大きな影響を受けて成り立っている以上、それを一つの特徴とし、その経験値を生かして、リスク、そしてクライシスマネージメントの点から世界に貢献する役割があるように感じます。例えば、東北被災三県に2019年にオープンしたみちのく潮風トレイルのような、災害をひとつのテーマとして織り込むアウトドアスポーツやツーリズムによって、被災地を訪れ、経験談を聞き、今そこで生きていこうとしている人たちと交流することひとつとっても、危機管理意識の啓蒙活動に繋がるような気がします。トレイルのような歩く旅の醍醐味のひとつは、自分、他人、そして人と自然の見えない繋がりを日常を離れてじっくりと再確認することです。それは、危機管理を考える上で大事なベースにもなりえます。 7月14日に行われたWorld Trails Network代表ガレオ・セインツ氏のネット公開インタビューの様子  ということで、私のような素人は、まず読図、ナビゲーション能力、応急処置法、ケガをしない体力づくりあたりから、危機管理能力アップを始めてみようと思います。そして、歩きまくる。歩くことは、災害避難の基本です。先日World Trails Network代表のガレオ・セインツ氏の公開インタビューがネット上で行われ*4、今回のパンデミックによる災害や自然災害の観点からも、安全で楽しめる歩く場がさらに求められるようになり、今後の街づくりにも大きな影響を与えると言っていました。  ということで、まず歩こう!!影にいる人々に感謝しながら・・・。 * World Trails Networkが、新型コロナウィルス下でのトレイル利用と運営についてのガイドラインを世界に向けて発表しました。ぜひ参考にしてみてください。 Covid-19 and Trails Guidelines For Trail User Safety and Trail Protection 参照: *1 British Geological Survey Press Release, 9th April, 2020 *2 YouGov, Changing consumer landscape:  Sports, dieting, and exercise, 21st May, 2020 *3 日本火災学会、1995年兵庫南部地震における火災に関する調査報告書 *4 World Trails Network Chair - Galeo Saintz, webinar interview with the Abraham Path Initiative, 14th July, 2020 掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。© rambleraruki.com 2021 ...

 英国の長い冬が明け、暖かさを感じ始める頃、牛舎に閉じ込められていた牛たちが野に放されます。牧草地を猛ダッシュで駆け回りながら、キャッキャッとはしゃぐように、飛んで跳ねる姿は、それはもう、なんとも愛くるしい。でもこの時期、はしゃいでいるのは、牛だけではなく、人間も同じ。 青い花の海が広がる、春の訪れ  英国は、日本よりはるか北にあるのにもかかわらず、冬はそれほど厳しくはありません。ただ日照時間が短く、どんより雲と長雨でぬかるんだ大地に挟まれて、何とも憂鬱な気分になります。 ですので、イースターあたりになると、家に引きこもっていた人々が、一気に外へと飛び出していきます。太陽が少しでも照り出しそうものなら、薄着とサンダルで出歩き、公園の芝生で日光浴をし、パブの外でビールを飲む。中には、ビキニ姿になって日焼けしようとする人までいます。冷静沈着で理性ある態度が良しとされる英国人ですが、心の中では浮き足立って、ソワソワ、ワクワクし、今にも弾けそうになっているのが透けてみえるのが、これまたなんとも愛くるしいのです。  そんな彼ら同様私も家を飛び出して、イングリッシュ・ブルーベルを見に、友人と近所の森へ出かけて行きました。4月末ごろから5月始めにかけて英国南部では、ヒヤシンス科であるブルーベルが開花し、澄んだ青紫色のカーペットが森の中に広がります。まさにその名の通り、ベル状の青い花が頭を垂れるように咲き、日本の春が桜なら、ブルーベルは英国において春の季語になる象徴的な花です。 [osmap markers="TL9454828076!red;イングランド東部 ウエスト・バーゴルト" zoom="0"] [osmap_marker color=red] イングランド東部 ウエスト・バーゴルト  エセックス州ウエスト・バーゴルト(West Bergholt)にあるブルーベルの森で有名なヒルハウス・ウッド(Hillhouse Wood)に行ってみると、静かな小さな村に突如多くの人たちが次々と現れ、森周辺だけ車が道脇いっぱいに駐車されていました。以前全国紙で取り上げられたこともあり、知る人ぞ知る人気の森のようです。まだ新緑が生えてきていない木々の間からこぼれる淡い太陽の光を受けて、キラキラ輝く花たちが足元から広がっている森は、まるで水辺に立っているかのようです。その中を、なんとなしにブラブラとみんなが歩いています。犬を連れて歩いている老夫婦、昼食前の腹ごしらえも兼ねて森を散策している親子3代。きっとこのあとは、パブでサンデーランチを楽しむのでしょう。イヤフォンをふたりでシェアし、音楽を聞きながら歩いている若者カップル。おしゃべりが止まらない女友達。乳母車を押しながら静かに花を楽しむ夫婦。サイクリングの途中で寄ったであろう家族。森を探検する父と息子。週末のひと時、それぞれが自分たちのスタイルで歩くことを楽しんでいる、英国でしか見ることができない光景に思います。 親子でどこへ行くのかな?  日本ではお花見に代表されるように、花を愛でながら宴会やお茶をするのが人気ですが、英国では、花や野生動物、森全体で感じる雰囲気、そしてそこから見渡せる美しい田園風景を、あてもなく歩いて楽しみながら愛でるスタイルが主流です。このような歩きをイギリスではレクリエーション・ウォーク(Recreational Walk)と言います。まさに、Re(再度)creational(創造するような)、身も心も心機一転、リフレッシュするために公園、森、田園、丘、川、海沿いなどをただ歩く。お金もかからず、健康にも良いという点においても、質素な英国人好みなのかもしれません。ただ彼らがすごいのは、そのブラブラ歩きをしたいがために、全国網の目のようにある歩道・フットパス(Footpath)をきちんと整備し、管理していることです。またその道を歩くことを保証するために通行権(Right of Way)を法律で定めています。しかもこの法律を通すまで、ああでもない、こうでもないと話し合いが行われ続けてざっと200年。ここまでの徹底ぶりとしつこさには、脱帽してしまいます。そこまでしても歩きたがる英国人の心理とは・・・?どうやら一筋縄ではいかない深いものがそこには潜んでいるように思います。 いくつになってもラブラブ♡  このヒルハウス・ウッドにも、もちろんフットパスが通っていますので、道伝いに歩くことができます。またここはAccess Landにも指定されている森のため、フットパスから外れて、自由に歩き回れる散策権もあるエリアで、好き勝手に歩くことも可能です。とはいえ、最低限のマナーはみなさん守っていました。今後もずっとブルーベルを楽しみたいですもんね。そしてそれらの道を含めたこの森を、森林保護チャリティー団体・森林トラスト(Woodland Trust)と村のボランディアグルーブ・Friends of Hillhouse Wood が管理し、メンテしています。こういった地道な努力に支えられて、英国の歩く文化は発展し、今日も多くの人が訪れることのできる森として存在することを可能にしているんだなと感心しながら、笑顔で歩く人々の姿を私は愛でていました。 17th April 2016, Sun @ Hillhouse wood, West Bergholt, Essex 参考資料: 森林トラスト www.woodlandtrust.org.uk 掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。© rambleraruki.com 2021...

 先日、ヨークで行われたチャリティー団体・ザ・ランブラーズ(The Ramblers)のイベント、Ramblers Members Day (ランブラーズ・メンバーの会)に参加してきました。その時の様子を簡単にまとめてみたいと思います。 イベントブログラム Ramblers Members Day 開催地: ヨーク大学講堂内 日時: 2016年4月2日(土) 参加者人数:約150人ほど イベント内容: 9:00 受付開始 9:30 ザ・ランブラーズ会長グラハム氏と理事長サウスワース氏挨拶 10:00ー12:00 ワークショップ 2つのワークショップに参加 11:00ー13:30 昼食 12:00ー13:50 各ブースでの展示会 14:00ー15:45 公開インタビューノース・ヨーク・モアーズ国立公園運営委員会会長ウィルソン氏エキスパートに質問コーナーノース・ヨーク・モアーズ国立公園運営委員会会長ウィルソン氏英国赤十字ビーチ氏登山家ヒンケス氏Memory Map(デジダル地図)バドミントン氏Cotswold Outdoor(アウトドア洋品店)カーンズ氏ボランティア大賞授賞式 16:00 ウォーキング(1時間、1時間半のコース4つの中から選択) 参加してみて ランブラーズ理事長サウスワース氏  今回は、実際にフットパスを歩いている会員向けイベントで、ランブラーズの理念や活動を理解してもらい、さらに快適な歩きを楽しめるよう、ウォーキング技術のアドバイスやボランディア活動への勧誘などを目的としたものでした。全員参加の講堂での講演や報告会以外にも、理事会メンバー、会員、そしてアウトドア業界人が、直接情報・意見交換できる場として、ワークショップやブース展示会などが設けられていました。  まず、驚いたのは、予定通りにすべてうまく進行していったことです。普通このようなイベントは、時間が押してしまいがちです。ただ、そこは設立してから80年以上の歴史ある全国区のチャリティー団体だけあり、イベント運営やボランティアの使い方に慣れているようで、すべてスムーズでした。今回の会は、ランブラーズとしては初めての試みで、参加者も主催者側にも静かなる熱気を感じました。会員は中高年がメインなので、ヒートアップすることはありませんでしたが、それでもワークショップや質問コーナーでは、それぞれの意見やアイデアが積極的に述べられていました。ちなみに、参加者の多くは中流階級の白人中高年がほとんどで、白人以外では、私含め3人ほどでした。ヨークは、ほぼイギリスの中央にありますので、地元周辺の方々が参加者の過半数を占め、遠くてもそこから2、3時間内で来れる方々が来場していたようです。参加費は無料。受付後には、大会のプログラムと共に、協会のグッズや防水スプレーなどのサンプルが入ったバックをいただきました。会場にはコーヒー、紅茶、水と茶菓子が常備されて、昼食は会場の学食できちんとした料理、そしてケーキまで用意されていました。下世話な話ですが、協会の財政力は、それなりにあるよう見受けられました。 [embed]https://youtu.be/5sSTRRbzECo[/embed] © Ramblers GB 会場で上映されたランブラーズ最新プロモ映像  実際に大会がどのような感じであったかお伝えするために、参加したワークショップ2つ、訪れたブース、公開インタビューについて、具体的に説明していきたいと思います。午前中にあったワークショップは、1時間が2本立てで行われ、5テーマの中から2つを選択できました。その5テーマは以下の通りです。 通行権とランブラーズの関わり ランブラーズのキャンペーン活動、昔と今 読図入門 ランブラーズのグループウォーキングとは ウォーキングでの応急法 通行権と当団体の関わりについて、説明  私はランブラーズのことをよく知りたいと思い「通行権とランブラーズの関わり」と「ランブラーズのキャンペーン活動、昔と今」を受講しました。まず通行権の会では、プロジェクターを使って通行権の歴史と規定内容を紹介。またランブラーズがどのようにその過程で携わってきたのか、説明を受けました。ざっと内容を書きますと、 通行権を獲得するまでの歴史を簡単に解説 通行権獲得後のその他の法整備(国立公園制定、散策権、海洋・海岸アクセス法など) ランブラーズの関わり方 訴訟、全国区規模のキャンペーン展開 各地での活動内容(フットパスの不具合を報告・フットパス実地調査・予算確保・歩く環境により良い政策のためのキャンペーン活動・フットパス整備・フットパス設置と保全・【フットパスの存続を脅かす可能性のある】土地開発問題への関与・Definitive MapとOS Map上にフットパス表示を求める活動) 通行権とは何か? 法内容を説明 フットパスを含む通行権のある道の説明と標識 柵や踏み越し台の設置 農場でのフットパス保全(農作作業・家畜による障害にどう対応するか) 自転車、乗馬利用者との共有 不法侵入の定義とは 散策法とは何か 海洋・海岸アクセス法とは何か(2020年までにイングランドの海岸線をすべて歩くことができるようになる。ウェールズは、すべに2012年に開通済み【世界初】) Pathwatch活動について(フットパスがどのような状態にあるのか、オンライン上で文字や写真で近況報告し合う、会員参加型の調査・保全活動。イングランド全土45%まで登録済み) 1時間ですべてを網羅するのは大変そうでしたが、政策担当者が一生懸命説明していました。ランブラーズの存在意義が少し理解できたように思います。  次は、ワークショップ「ランブラーズのキャンペーン活動、昔と今」に参加しました。通行権は19世紀末ごろから主に労働者階級の人たちが、長年にわたり請求してきた過程があります。各地で発生した活動は徐々に規模を大きくしながら団結し、その中からランブラーズが誕生しました。その経緯もあり、同団体はフットパスなどの歩く環境に関係する政治・政策活動に積極的に関与しており、ほかの主なチャリティー団体同様、大規模なキャンペーン活動を盛んに行っています。このワークショップでは、今までを振り返り、そして今行われているキャンペーンをどのように進めるべきか、隣の人と話し合いをしてから、各グループの意見を発表し、全体で意見交換を行いました。話し合いの議題は2点。 ①今までの協会の活動の中で、一番社会に貢献したことは?  ②将来、協会はどのような問題に直面するだろうか?  私は、以前エセックスに住んでいて、退職後はヨーク郊外に住んでいる男性と話し合いました。ロンドン近郊のエセックスと北部の田舎であるヨーク地方では、多少環境の違いがあり、興味深かったです。例えばエセックスでは、ロンドン地価高騰でエセックスに移り住む人々が増えた関係で、新興住宅地が多く建設され、フットパスや自然保護区の保全への影響が懸念されています。一方ヨーク地方は、英国の主な工業地帯のひとつですが農場も多く、農作業後にフットパスが穀物で通れなかったり、きちんと整備されないことが多発しているそうです。地方自治体に通報しても、農協の政治力と財政危機で対応してもらえていないとのこと。ほかのグルーブからの意見を聞いていても、ここ7~8年の財政削減による影響は各地に現れてきているようで、大きな悩みのひとつのようです。ただ、自治体や土地所有者に文句や圧力をかけてもしかたがない。みな状況は同じで、誰かを責めても始まらない。ほかに解決策はないか模索する必要があるとの意見もありました。  例えば、歩くツーリズムと地元観光業の発展、市民の健康問題の解決策として、ウォーキングとフットパスの重要性を感情的にではなく、しっかりとデータで示し、どれだけメリットがあるかを訴えべきだと主張していました。また、英国乗馬協会などのチャリティーで、ランブラーズ協会よりももっと積極的に道のデータ収集や整備をしている団体から学ぶべきだという声も。道の整備は、できるならボランティアの力を借り、自治体に頼らなくてもできるようにしていくべきだ。また、州や市レベルではなく、教会区(一番小さい地方行政区。日本でいう町内会規模)に話をした方がいいのではという意見も出てきました。ただ、その一方で近年の英国では、安全衛生法が厳しくなり、保険の問題や使う作業用具の調達などの負担、土地所有者との揉め事を回避したいこともあり、ボランティアが道整備をするのを、地域によっては自治体が渋る傾向があるのも事実だそうです。お互いの気持ちと利益がうまく重なり、ウィン・ウィンの関係ができないだろうかと思いました。あともうひとつ興味深かったのは、協会の会員があまりにも白人の高齢者ばかりで、今後協会が存続していけるのだろうかと、問題提起された方がいらっしゃいました。マイノリティや若者などにも、もっとアピールする必要があるようです。余談ですが、実際に来場していた会員の中で、スタッフ以外では、40代の私が一番若いのでは(しかも、東洋人)と思うほどでした。 「ランブラーズ協会のキャンペーン活動、昔と今」ワークショップの様子  昼食時と同時に開催されたブースでの展示会は、ランブラース協会各部門、季刊誌編集部、そして各地域担当者や、アウトドア・ギア専門販売店、赤十字、ツアー会社、GPSやデジタル地図のサービス提供会社など、全部で13ブースの小規模なものでした。私は、主に協会がNHS(英国国民健康保険)の指導のもと行っているWalking for Healthの担当者と協会の季刊誌”Walk”編集部の人たちと話をしました。  Walking for Healthの活動は、健康に問題がある人、運動不足な人、リハビリが必要な人、身体的に制限がある人、一人暮らしの老人、新生児を持つ母親など、何かしらのサポートが必要な方々に、歩くことで健康になってもらおうと、定期的に開催されるグループ・ウォーキングのことです。地方自治体と各地域の健康保険機関の指導のもと、癌患者支援団体マクミラン(英国最大規模のチャリティー団体のひとつ)からの資金で、ランブラーズがウォーキング実施をサポートしています。  ここ最近、歩くことが心身ともに健康になる一番の方法であるというデータも多々発表され、医療費削減、社会保障問題の解決にも繋がっていくのではないかと、大変注目されている活動です。例えば、健康歩き事業に1ポンド投資すると、国民保険は7.18ポンド削減できるというデータを、Natural England(イングラントとウェールズ内の自然・景観保全活動を仕切っている政府外公共機関)が発表しています。とはいえ、フットパスが全国にある英国においても、何かきっかけがないとなかなか地元の人は歩かないようで、いかにそのような方々を外へ連れ出し、仲間と一緒に歩いてもらうか。健康状態は人それぞれゆえ、いかに上手くその人に合ったウォーキング・ブログラムを提供できるか。そして、歩き始めた人たちに、今後いかに継続してもらうか。グレードアップした人たちが、次に行ける場をどのように提供していくのか。まだ課題は多くあるようですが、少なくとも参加した人たちからは、良い反応が出てきているようです。  特に精神的な面での影響が大きいようで、歩く行為そのものだけでなく、人と会い話ができることが心のケアに大きく貢献しているようですし、単純に楽しめるということが、継続に繋がっているようです。老人、母親、不登校児、身体障害者など孤独になりがちな人たちは、同じ境遇の方々に会うことや逆にまったく違う環境・世代の方々と会うことで良い刺激を受けている。そのあたり十分配慮しつつも、自主性や自尊心を大切にし、強制的にならぬよう、うまいさじ加減が必要のようです。今後は、医療現場でも”prescriptions from illness to wellbeing” ー 従来の治療のための医薬品処方箋から健康で幸福になるための運動の処方箋(緑の処方箋)を、直接患者に渡してもらう。医療とウォーキング活動の連携の向上により、さらに参加しやすいシステムを構築し、参加者(患者)に理解を深めてもらおうと、今年一部の地域で実験的に実施されているようです。  また国は、都市のさらなる緑地化推進や国立公園を地元地域住民の健康改善に役立てる構想を打ち出しており、緑の処方箋を、ただ歩くことからバードウォッチングなどのアクティビティやこれらの地域の整備ボランディアとして参加を推進するなど、もっと幅を広げていこうという動きが、ランブラーズ協会や自然保護団体のサポートのもと、活発化してきているようです。それによって地域の医療負担が減り、財政難でカットされた環境保全活動費への新たな解決策となるのではと期待されています。 [embed]https://youtu.be/_H73kKHc4V8[/embed] キャンペーン映像  次は、協会の季刊誌”Walk”編集部担当者と話をしてきました。この季刊誌は、作りは一般誌レベルのクオリティーで、会員には毎回無料で送られてくる(もしくは、デジダル版にアクセスできる)ものですが、普通に本屋でも購入することができます。ここでもこの協会の「力」がうかがえるように思います。ブースでは、クイズとアンケートが行われており、アンケートには「今後どこへ行きたいか」「今後取り上げて欲しいギアはあるか」といった項目があり、私はそれぞれ「日本」と「ミズノのブレスサーモ」と書いてきました。大きなボードにも同じ質問「今後どこへ行きたいか」が表示され、自由に書き込めるようになっていました。みなの答えは、やはり英国国内とヨーロッパが多く、その他の地域では、ネパール、ニュージーランド、中国、アメリカ、カナダと書かれていました。私も負けじと、日本と書いておきました。いつか海外の方々に、日本へ歩きに行きたいと思わせるようにできるといいなと思います。  編集部の方に直接話を聞いた際にも、日本のトレイルをアピールしてきました。”Walk”では毎号、海外トレイルやハイキング特集”Global walk”というコーナーが掲載されています。どうやら海外のハイキング専門旅行会社の協力で、毎回特集が組まれているようです。欧米、南米、アフリカといった比較的英国から地理的に近い地域を今までは取り上げてきましたが、新たなエリアを開拓したい様子でした。熊野古道などの歴史ある巡礼の道や英国でも大変ショッキングなニュースであった東日本大震災地域で整備しているみちのく潮風トレイルの話から入り、日本ロングトレイル協会加入トレイルについても、できるだけアピールしてまいりました。ついでに韓国の済州島オルレまで話をしました。 ウィルソン氏が、事前に受付けた質問に答える形で、対談が進んでいった  午後に開催された公開インタビューには、ゲストのノース・ヨーク・モアーズ国立公園運営委員会会長ウィルソン氏が登場しました。ウィルソン氏は、第3セクターでキャリアをスタートさせ、国立公園運営以外にも、Natural Englandの評議員、多くの自然保護や持続可能な開発に携わってきた経歴をお持ちの方でした。実家が農家ということもあり、ヨーク地方の農業団体とも強い信頼関係があるようです。ノース・ヨーク・モアーズ国立公園(North York Moors National Park)は、正直申し上げてピーク・ティストリクトや湖水地方などのように、誰でも知っているメジャーな国立公園ではありません。ヨーク地方には、もうひとつヨークシャー・デイルズ国立公園があります。英国独特の美しい田園風景が見られるヨーク地方を代表する地域で、ナショナル・トレイル第1号のペナンウェイで通過できることもあり、こちらの方が有名で、ノース・ヨーク・モアーズは陰に隠れぎみです。認知度を上げ、地元経済を活性化させるためにも、広報活動に力を入れいます。努力が実り、来園者は増え、1997年Customer Service Excellence®(特殊法人顧客サービス適格認定機関)にも認定され、今も保持しているそうです。  ただ、この公園では去年夏に大きな決断を迫られました。公園指定地域内にある炭酸カリウムの採掘計画案が自治体に提出され、地元住民や保護団体なども含め長い話し合いが行われてきました。運営委員会は去年夏に評議員会内で投票を行い、僅差で計画案受け入れが最終可決され大きな話題となりました。実は、ほかの国立公園でも今議論が盛んになっているのが、公園内におけるシェールガス採掘問題です。政府はシェールガス開発を推進したい考えで、地元住民と今後具体的に話し合いが行われる様子です。ウィルソン氏は、国立公園に住む人間の心情としては、観光客が増えたり、採掘事業の受け入れに喜べない部分もあるが、地元経済を守るためには、時として承諾しなくてはならない現実がそこにあるとおっしゃっていました。勝手な憶測ですが、ウィルソン氏はもともと農家出身ということもあり、自然と人の営みの関係を非常に現実的に見ていらっしゃるように思いました。英国でも自然、エコといったワードの持つ美しいイメージが大きくなりすぎて、そこへ金儲けや資源といった話になるとアレルギー反応を起こす方も多いようですが、やはり地元の人たちにとって何が一番いことなのか、それが重要なことに感じました。炭酸カリウムの採掘事業は、なるべく環境や観光業にダメージを与えないよう配慮された計画案だそうで、今後住民がどのように対処していくのか、見守りたいと思います。 ランブラーズのイベント、ウォーキングなしでは、終われない  長々と書きましたが、以上イベントの報告となります。少しでも会場の雰囲気が伝わればなと思います。イベントの最後は、ランブラーズ協会が歩かないでどうするということで、ウォーキングで締めとなりました。私は時間の関係で大学構内を回る短いコースに参加したため、さほど歩いてはいませんが、会員の方々と話をする良い機会となりました。  今回参加して学んだことは、日本の地方や自然保護活動が抱えている問題は、英国でも同じように壁にぶつかっていることを確認できたことが一点。ただ、そこはさすが議会制民主主義発祥の地だけあり、とにかく時間がかかっても話し合いを重ねていく、多くの人々にアピールしていくしかないといった気持ちが感じられました。そして新たに注目されているボランディアの力や緑の処方箋。地元住民の協力で道を整備していくだけでなく、彼らに頻繁に歩いてもらうことが、道を保持していける秘訣のように思います。今後どのように発展していくのか、常に観察していきたいと思います。  最後に、今回ランブラーズの活躍と影響力を改めて感じ、考えてみました。英国における歩く文化を大きく発展させ、フットパスという壮大なシステムを作り上げてこれたのは、彼らの貢献が大きいのは間違いありません。ただ、もともとレクリエーションウォーキングを重要視する知識人と労働者階級から出てきた団体ゆえでしょうか、未だに土地所有者や保守的な人たちにに対しての嫌悪感があり、どうしてもリベラルな政治活動をする傾向があるようです。今回の会でも、言葉の端々にその雰囲気が感じ取れました。私個人でウォーキング好きな人々に取材していても、ランブラーズは政治色が強くて苦手という方たちは、意外に多かったです。私としては、当団体とは違う立場にいる方々にも、ぜひ話をもっと聞いてみたいと思いました。大会は盛りだくさんで、最後は頭がパンク状態でしたが、それでも参加して良かったと思います。やはり生の声を聞くことは貴重で、自分の見方がさらに広がって良い刺激となり、いろいろ考え直させられる機会となりました。特に団体運営サイドだけでなく、会員の方々にいろいろと話を聞けたのが大変貴重でした。次回も開催されるようなら、また参加してみたいと思います。 2nd February 2016, Saturday @ University of York 【安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター紀要「人と自然」第6号2015年度に掲載されたレポート「イギリス・ウォーキング環境保全の現状 ー 英国フットパスの新たな試み」(38から44ページ目)は、この記事を一部に加えて書かせていただきました。】 掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。© rambleraruki.com 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 英国冬の一大イベント、クリスマス。12月になるとイルミネーションで彩られた街は、買い物客で賑わい、各家ではクリスマスツリーやリースが飾られ、人々の気持ちは高まります。当日は家族や友人が集まり、ご馳走をみなでいただきお祝いし、食後は団欒しながらのんびり過ごす。最近はかなり商業色が強くなってきていますが、それでも英国人にとって家族や仲間を一番感じる、ほっこりする時期です。ただ、リラックスした気分で、ついつい食べすぎ、飲みすぎてしまう。そんな時は気分転換に、外の新鮮な空気を吸いに、全員で散歩に出かける。そんな人たちが、この時期あちらこちらで見受けられます。日本の初詣のように、目的地があって歩くのとは違い、気の向くままにブラブラ好きなだけ歩く。霜が降りた外の寒さは体に沁みますが、全てが白く凍る冬景色をのんびり眺めていくのは、心身共々リフレッシュされていきます。中には、サンタクロースの赤い帽子を被って歩いているひともいたりして、クリスマス気分を満喫しているようです。 大人になっても、クリスマスはウキウキ♡  英国では、人が集まり食事をしたり、同じ時間を過ごすとき、散歩というのがそのイベントの中に組み込まれていることが多いです。これは、クリスマスだけに限ったことではありません。例えば、私たち夫婦が夫の実家を訪ねた時は必ず、食事前後全員で散歩をします。長靴を履いてゾロゾロ歩きながら、近況報告、政治や経済、地元のゴジップなどを話す。四季を表す自然、歴史的建造物、田園風景を愛でる。誰もが参加でき、お金もかけず、全員で一緒に何かを行うことで、しばらく会っていなかった時間もすぐに埋められ、気持ちがぐっと近くになります。ただ食事をするだけでは、この効果は十分に得られないでしょう。心理学でも対面で話すより、横並びのほうが距離も近く、人は心を開くということを聞いたことがあります。しかも同じ動きをすると同調効果が高まるとか。恋人同士がよく散歩しているのも、納得できます。このような散歩をする風習は、もともと15世紀から16世紀の上流階級が、訪問客に広大な敷地内を歩きながら見せて回るおもてなしや消化促進のために食後に歩いたことから始まっているとか。その後産業革命で人々の生活スタイルが変わり、特権階級だけが許された散歩が、気軽に楽しめるレクリエーションとして大衆へ広がり、現在彼らが普通に仲間と行う散歩という形態になっていきました。 全国共通で、黄色い矢印で表記  とはいえ、歩く道が車道では、雰囲気もへったくれもありません。車の通りばかりが気になり、話もできない。景色をじっくり眺めるような余裕もない。自立心の強い英国人には、人によって決められた公園内や遊歩道をぶらつくだけでは満足しない。ではどこを歩いているのか。それは、Public Footpathと言われる歩行専用道路。畑、牧場、森、丘、山、河川敷、公共用地、私有地、入会地などの中を大胆に突っ切り、まるでブリテン島の毛細血管のように、全国あちらこちらに存在しています。総距離は、現在イングランドとウェールズで約22万5000キロ、スコットランドで登録済みなのが、約1万6600キロ、二つ合わせて、地球6周できるほどの距離にまでになります。登録作業は2026年1月まで続き、距離はさらに伸びる予定です。Publicと書かれている通り、公の道であり、誰でも歩く権利が法律上認められています。その昔、公衆の歩行通路として各地域で使われていた道を、交通手段が多様化した現在では、レクリエーション目的のために保存し、みなが歩けるようにしたのです。ロングトレイルといった本格的なハイキングをするための道は他国でも立派なものがありますが、ただちょっと歩くだけのために、日常生活圏内でこのようなシステムを作り上げた国は他に見当たらないのではないでしょうか。それだけ、散歩が生活の一部となっている証拠だと思います。 赤ちゃんも、みんなと一緒に散歩したい  日本の私たちは、産業革命から資本主義国として走り続けてきた英国を、憧れの先輩として崇め、一歩でも近づこうといつも必死に追いかけてきました。しかし、その先輩も、走り続ける中で、失敗を繰り返し、多くのものを失い、そこで初めて真の豊かさとは何かと考え始めたのです。そして先輩が出した答えの一つは、シンプルに歩くことの喜びだったように感じられます。 参考文献 Ramblers, Ramblers Best Walks Britain (Collins, 2010) Ramblers, Walking in Britain (Ramblers advice, 2012) 市村操一(2000). 誰も知らなかった英国流ウォーキングの秘密 、山と渓谷社 掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。© rambleraruki.com 2021...