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越冬を応援、バードケーキを作ろう!

バードケーキ1 庭に置かれたバードフィーダー(餌台)。ハトやシジュウカラがそれぞれ好みの餌を食べに来ています

 初霜が降りると、クリスマスプレゼントや年賀状のことを考えだし、年末年始のお祝いモードを徐々に感じ始めます。このちょっとウキウキした感情は、宗教関連の祭り事が続くこともあり、どこかでみなと共有したい、分かち合いたいと身勝手ながら思うものです。私も「自分たちだけご馳走ばかり食べて申し訳ない」と感じます。そして「一緒に冬を乗り切ろう」とエールを送る意味も込めて、日頃楽しませてくれている野鳥たちへバードケーキを作り、庭の木々に吊るします。

 バードケーキとは、鳥の餌をラードで固めた、主に冬に与える練り餌のことです。英国では、バードウォッチングが盛んで、庭に野鳥用の餌台バードフィーダーや水浴び用のバードバスなどを設置する人が多くいます。そこに集まってくる鳥たちを家の窓から眺めて楽しむことは、ごくごく普通の光景です。どこのスーパーマーケットへ行っても、ペット用品コーナーには、犬猫用の餌と同様、野鳥用の餌や餌箱が必ず陳列されています。それだけ野鳥は身近な存在のようです。

バードケーキ2 スーパーマーケットには、いろんな野鳥用のエサが棚に置かれています

 木々の枝に吊るされたバードケーキは、ちょっとしたクリスマスデコレーションのようで、お祝いモードをさらに盛り上げてもくれます。餌が少なくなる寒い冬を生き抜くために、ナッツや穀物だけでなく、ラード、チーズ、ドライフルーツを混ぜて、タンパク質、糖質、脂質ばっちりのハイカロリーなケーキを作りました。レシピは、こちら。

バードケーキ3 ① ボールに、細かく砕いたナッツ、ドライフルーツ、オーツ麦、鳥の餌など、キッチンで余った食材をうまく活用し、自由に選んで入れていきます(塩や砂糖などが入っているものは少し控えめ、パンなどの穀物を加工したものは入れず、なるべく素材そのままを使用)。
バードケーキ4野鳥たちが寒さに耐えられる体力作りを助けるために、タンパク質、糖質、脂質の三大栄養素を、バランスよく入れてあげるようにします。(ボールは、ラードでベタベタになるため、洗うのが大変です。ワックスペーパーやアルミフォイルなどを使用すると、洗う手間が省けます。)
バードケーキ5② チーズをおろし器ですりおろしながら、加えます(塩分があるので、入れすぎないように注意)。
バードケーキ6③ 寒さ対策のために、ラードを小さく切り、ボールへ。ちなみにこのレシピは、冬用になります。
バードケーキ7④ ラードを指先で潰しながら、体温で柔らかくしていきます。(手は、油でベタベタになるため、のちほど洗うのに苦労します。必要とあれば、ビニール手袋を使用すると便利かもしれません。)
バードケーキ8⑤ 溶けたラードと餌をうまく混ぜます。
バードケーキ9⑥ 写真のように、まんべんなく混るまでかき回します。

 クリスマスっぽく、赤いリボンやひもで吊るし、松ぼっくり、アイビー、月桂樹の葉、乾燥させたラシャカキグサの花穂、オークの枝などを使ってデコレーションしていきます。ナチュラルテイストに、そして食後のゴミを考えエコなものでと思い、すべて自然素材にこだわりました。バードケーキは、子供達と一緒に作ってもきっと楽しいはずです。手をベタベタにしながらケーキを作り、庭にあるものを自由に使い飾り付け、外に吊るして野鳥観察。冬のアクティビティにオススメです。

バードケーキ010 鳥たちがうまく餌を食べれるよう工夫し、彼らに警戒させないよう自然素材で飾ってみました。クリスマスを意識して赤と緑ペースの色合い。童心に返ります。

 リスやネズミなど鳥以外の野生動物たちが食べに来ることもあるので、それを避けるために、小鳥たちだけが食せるような木の枝を探し、吊るします。この時に忘れないようにしているのが、鳥たちの水飲み場です。冬の時期、餌は結構あげている方がいますが、水のことも気にかけてあげることが重要です。凍結で飲めない状態になり、脱水症状を起こしやすいのが、意外にも冬にはあります。

バードケーキ11 バードケーキの上にも、シリアルやナッツをトッピングして、さらに可愛く美味しそうに。大きいナッツは、彼らの足場になればと思いました。地面に落ちたら、他の野生動物が処理してくれることでしょう(笑)。

バードケーキ12 雪が降った後や霜で地面が凍っているときにあげると、鳥たちも喜びます。

 バードケーキを吊るし始めの2、3日は警戒しているのか、それとも気がついていないのか、ノータッチでしたが、その後餌を見つけた鳥たちが、頻繁に突きにき始め、1週間後ぐらいには影形もなく、平らげていました。残念ながら私のカメラにはその様子を収めることができませんでしたが、英国で人気ナンバーワンのヨーロッパコマドリ、人懐っこいシジュウカラ、ビートルズの歌”Blackbird”でも有名なクロウタドリなどが、私の特製クリスマスケーキを堪能していました。私の気持ちが野鳥たちに通じて、日頃の糧を一緒に感謝し祝えたように感じ、寒さで冷えた体をポッと暖かくしてくれるものでした。野鳥との距離もぐっと近づき、彼らのことを今まで以上に気にかけるようになり、もっと知りたいと思うようになりました。野鳥との出会いは、散歩の楽しみをも、さらに広げてくれます。みなさんも、ぜひバードケーキを作って、庭に訪ねてくる野鳥さんたちと真のご近所交流してみてください。

バードケーキ14


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